

(はじめに)
このコーナーは、僕が劇場、自宅のビデオなどでみた、僕の好きなジャンルについて
紹介していきます。わからない人にはちょっとツラいかもしれませんが、
興味のある人、みていってください。
(第4回)映画「フル・モンティ」(1997年、イギリス)
【あらすじ】
イングランド北部にあるシェフィールドは、街の基幹産業だった製鉄場が閉鎖され、失業者が増加していた。
ガズとデイヴ、二人の上司だったジェラルドも職安で毎日、顔を合わせていた。仕事の口がないガズに
別れた妻は、自分たちの子供ネーサンの親権が欲しいなら、700ドル必要だと言うのだが、金は無い。
金が出来なければ、愛するネーサンと引き裂かれてしまう。そこでガズは、近所で上演されていて、女性たちを
熱狂させていた、男だけのストリップ “フルモンティ” をやろうと決心する。相棒デイヴは、協力はするが、
自分の体形を気にして、裸になるのだけは絶対に嫌だと断る。ダンスの先生にジェラルドを迎え、自殺未遂のロンパー、
面接で合格したホースとガイが加わり、6人のチームが出来上がる。
最初は観るに耐えなかったダンスも、日を重ねるごとに上達し、ポスターも張り出したが、本番の3日前の
リハーサルの日、パンツ一枚で踊る姿を警察に見つかり、連行されてしまうのだった。
果たして、 “フルモンティ” は上演できるのか、ガズは愛するネーサンを失ってしまうのか・・・。
いやーみなさん、お久しぶりですね。「気まぐれ」とはいえ、あんまり更新されないもんだから、一部からは
このコーナーの終了説まで出ていたんですが、なんとかかんとか第4回にこぎつけました。
今回の作品、「フル・モンティ」ですが、以前NHK−BSで放送していたのをビデオで録って、たった1回
観ただけの作品だったのですが、最近では短めの内容(90分弱ほど)で、けっこう好きなイギリス映画と
言うこともあって、かなり記憶に残っていて、今回このコーナーに選びました。
「リストラ」「クビ」という言葉が、今や日常会話と化した、不景気日本。当然、映画作品にもその影響が
色濃く反映されるわけですが、ネタとしてあまり歓迎されないのか、スポンサーがつかないのか、最近の日本映画
で「失業」「不景気」などの問題を深く掘り下げた作品は、あまりないように思えます。その分、日本に入ってくる
洋画のなかでも、イギリス映画が日本映画で描けない問題を扱っていて、最近スマッシュヒットを連発しています。
この「フル・モンティ」は、他の人から面白いと聞かされていたんですが、「男性ストリップ」が出てくる映画だった
ので、最近までどうも食指が動きませんでした。なんか、夢に毛むくじゃらの男の姿が出てきたら、嫌だなあ・・・と
いう、不安な気持ちでビデオのリモコンを押しました。けれども、内容は実に痛快で、また男たちの哀しさを強烈に
うったえてくる、いい映画でした。かつては花形産業だった、製鉄という仕事に就いていながら、時代の流れや国策に
よって、理不尽に職を追われ、それからなかなか立ち直れない男たち。悲しいくらい不器用な彼らは、新しい仕事で
心機一転、なんて前向きな発想には、なかなかならない(もちろん新しい仕事なんて、そうはない)。その中で奇妙な
連帯感と、自分たちを変えなければ・・・と危機感に駆られた彼ら(もちろん金も必要だった)がたどりついたのが、
「男性ストリップ」(笑)なのでした。
日本と同じ島国だけど、この辺の発想が、さすがジョークの国イギリス、といった感じです。そんな、ジョークとしか
思えないような発想に、パンツ一丁で自分たちの運命を委ねる姿が、かっこよくもあり、失業や不景気があんまり
長く続いて、イギリス人の思考の根本に、すっかり根付いてしまったのかな、とも思わせる映画でした。
もちろん、庶民が不景気に苦しんでいるのに、いまだに高度成長の頃の体質から抜けきれない、日本の政治や
経済の体制にくらべれば、身の程を知ったイギリスの方が、よっぽどマシだとは思います。
スカッとした、後味の良い映画でしたが、
やっぱり「男性ストリップ」の場面は、今でも鮮明に思い出されます(ストリップは、やっぱり女性の方が・・・)。
というわけで、次回予告です。
なんとか4回目を迎えたこのコーナーですが、やはりこのペースでは、コンテンツとして成立することが、非常に
難しくなってきました(けっこう本数は観るもので)。そこで、次回からリニューアルすることにしました。
*月1回の確実な更新*
*一度に複数作品を紹介*
以上を目標に、次回から更新したいと思います。
なんか、ますますcainさんのコーナーに似てきましたが、方向性は少し違うので、ご了承ください。
☆おまけ☆
映画「フル・モンティ」の個人的評価(5段階)
ストーリー:すごくよい(期待をいい意味で裏切られた。逆境に立たされた男たちの姿はなんとも哀しい。)
キャスト :よい(主演のロバート・カーライル以外は全然知らないが、6人それぞれの役割にあった
キャスティングだと思う。)
考 証 :よい(考証といっても現代のイギリスそのままだが、イギリス映画に特有の、なんとなく
ドヨーンとした空気が、相変わらず伝わってきた。)
総合評価 :すごくよい(仕事に、恋愛に、いろんなことで疲れた男性諸君、ぜひこの映画を観ましょう。)
(評価は上から「すごくよい」「よい」「まあまあ」「イマイチ」「だめだこりゃ」と
なっています。悪しからず)
