

(はじめに)
このコーナーは、僕が劇場、自宅のビデオなどでみた、僕の好きなジャンルについて
紹介していきます。わからない人にはちょっとツラいかもしれませんが、
興味のある人、みていってください。
(第7回)「10〜1月に観た映画作品で
印象に残ったもの、よかったもの」
【簡単なあらすじと感想】
「突撃」(1957年、アメリカ)
(観た場所)自宅のDVDで
(あらすじ)舞台は第一次世界大戦下のヨーロッパ。長期化する塹壕戦で、前線で対峙するフランス・ドイツ両軍は
多くの犠牲者を出し続けていた。しびれを切らしたフランス軍上層部は、前線の指揮官・ダックス大佐にドイツ軍の要所を
攻略するよう命令する。だが、連戦続きの部下たちの疲労を知るダックスは、いま攻撃を仕掛ければ部下達に多くの犠牲を
強いると上層部に抗議する。しかし自分たちの昇進や名誉にしか興味を示さない将軍・幕僚達は、この抗議を無視、作戦を
強行する。予想通りドイツ軍の強烈な反撃にあったダックスの部隊は、司令部の前進命令に従わず撤退。
ダックスは敗戦の責任を問われ軍法会議にかけられる。そこで彼は、将軍にある密約を持ちかけられるのだが・・・。
(感想)「2001年宇宙の旅」で有名な、スタンリー・キューブリックの、若かりし頃の監督作です。
彼の戦争映画は、以前観た「フルメタルジャケット」の壊れたイメージがあったので、どんな映画なのだろうと
覚悟してみたのですが、ところがどうして、重厚でしっかりした戦争映画でした。戦争の持つ「理不尽さ」が、まっすぐ
心を突き刺してくるようで、なんともやりきれない気持ちにはなりましたが・・・。ラストの酒場のシーンで、
少女が口ずさむ哀しげな歌に、黙ったまま聞き入る出撃前の兵士達。彼らは、軍隊という組織にいる以上、無謀と
わかっている命令にも、黙って従うしかない。軍隊では、世の中で当たり前の正義や真実など、大きな意味を持たないのです。
その組織に、部下達の命を守るため立ち向かったダックス(カーク・ダグラスがいい味出してます)の決断に、
勇気づけられました。しかし、この映画の舞台になった第一次大戦から、もう80年以上経とうかというのに、
去年もアフガンへの空爆。今もなお、理不尽な戦争が繰り返される現実を、見過ごしてはならないと
改めて思いました。
「鶴は翔んでゆく」(1957年、ソ連)
〔初回公開時邦題「戦争と貞操」〕
(観た場所)自宅のDVDで
(あらすじ)独ソ戦勃発直前のモスクワが舞台。恋人同士のヴェロニカとボリスは、結婚を意識し始めていた。
しかしその幸せの時は、戦争によって奪われてしまう。ヴェロニカをモスクワに残し、志願兵として前線に向かった
ボリスは、そのまま消息不明となってしまう。戦況の悪化で、一家でシベリアに疎開したヴェロニカも、望まない結婚を
強いられ、本当に愛するボリスから、手紙が届くのを待ち続けるだけの日々を送っていた。そんなある日、
ヴェロニカのもとにボリスの戦友と名乗る男が現れ、ボリスの戦死を告げる・・・。
(感想)「カンヌ映画祭で、ソ連映画として初めて大賞に輝いた作品」という紹介記事をインターネットで
見つけて、早速DVDを買って観ました。キューブリック同様、ソ連の戦争映画にも「モスクワ大攻防戦」みたいな
プロパガンダ映画しかないというイメージがあったので、期待半分・不安半分というところでした。
でも、ラストシーンでは珍しく泣いてしまいました。僕は映画やドラマを観ても、泣くと言うことはあんまり
ないのですが、今回はこらえ切れませんでした。そしてほとんど無駄のないテンポのいい展開と、見せ場のシーンの
ベタなほどの力強さに、なんとも感心させられました。この時期ソ連は、スターリン体制から徐々に
脱しつつあるときで、必要以上にプロパガンダ的にならずに、自由に作品が作れる時代だったのかも
しれません。これからは敬遠せずに、ソ連映画も観ないといけませんね。
(今回から評価方式はやめ、特に気に入った作品をいくつか掲載することにしました)
この間、家にはDVD(パソコン内蔵ですが)やCS放送、サラウンドスピーカーなど、
映画を観るのに便利なものがたくさん入ってきたので、珍しい作品や迫力ある作品が
楽しめるようになりました。今回はその恩恵を受けた作品を掲載しました。
今気がついたのですが、この2作品、全く同じ年に冷戦の当事者同士が作った映画だったんですね。
これらの作品が、冷戦の氷を溶かすまでには、残念ながら至らなかったようですが、
その質の高さは、現代でも十分鑑賞にたえうるものです。ぜひみなさん観てください。
これからも心に深く刻まれる映画を見つけていきたいです。
というわけで、次回予告です。
次回第8回は、
「2〜4月に観た映画作品」(予定)です。
cainさんのページにも書かれているのですが、実は今月から映画上映サークルを
他の同盟員のみなさんと始めることになったんです。いい映画がたくさん観られる
環境がうまく根付けばいいなと思っているのですが、どうなりますか。
その中からも何作か掲載するかもしれませんので、お楽しみに。
