(はじめに)

このコーナーは、僕が劇場、自宅のビデオなどでみた、僕の好きなジャンルについて

紹介していきます。わからない人にはちょっとツラいかもしれませんが、

興味のある人、みていってください。




(第8回)「2〜4月に観た映画作品で印象に残ったもの」




【簡単なあらすじと感想】




「シベールの日曜日」(白黒作品 1962年、フランス)〜

(観た場所)自宅のCS放送で



 (作品紹介)インドシナ戦争での体験が元で記憶を失った男と、父親に見捨てられ、たった一人
寄宿学校に入れられた少女の結ばれぬ愛情の物語。1962年のアカデミー賞で、外国語映画賞に輝いた。
監督はセルジュ・プールギニョン。



 (感想)映画のガイドブックなどをみていて、よく名前の出てくる作品で、気になって観てみました。
「インドシナ戦争」の文字が頭に焼き付いていたので、てっきり戦争映画かと思っていたら、
なかなかヘビーな恋愛映画(かな?)でした。お互い行き場を失った男と少女が、親子を装って
毎週日曜日寄宿学校を抜け出し、森の中で解き放たれたように遊ぶ姿が、絶望的なまでに美しい。
そしてあっという間に壊れてしまいそうな予感が、やっぱりラストで的中してしまいました。
「私の本名を知りたかったら、教会のてっぺんの風見鶏をとってきて」と、男になかなか自分の本当の
名前を明かさない少女のいじらしさが、ぞっとさせる美しさです(ロリコンの人たちに人気があるそうですが、
それもわかるような気がします)。あまりうまく説明できないストーリーなので、一度ご覧あれ。




〜「キプールの記憶」(カラー作品 2000年、イスラエル・フランス・イタリア)〜

(観た場所)大阪の映画館で



 (作品紹介)イスラエル人監督のアモス・ギタイ自身の体験を元にして、第4次中東戦争を舞台に、
戦場を飛び回るヘリ救急部隊の若い兵士達の生々しい現実を描いた作品。ちなみに
題名の「キプール」とは、ユダヤ教のもっとも重要な聖日・贖罪日のこと。第4次中東戦争は
1973年のこの日に始まったため、「ヨム・キプール戦争」とも呼ばれる。



 (感想)ワンカットが異常に長い・・・こんなに長いカットの映画は初めて観ました。
そんな長カットの画面に、泥や血にまみれた、若い兵士達の姿が延々映し出される。
余計な説明など一切ない、ドキュメンタリータッチの中でもストーリーをきちんと理解させるテクニックには
感心しました。僕とほとんど変わらない、下手したら年下のイスラエルの若者の絶望感。戦場が逃れられない
距離にある恐怖感(イスラエルでは18歳になると、男女問わず兵役義務が発生する)。
そんなイスラエルの人々の感情の行き場のなさが、観ていて痛いほどわかりました。だからといって、
今イスラエルがパレスチナに対して行っている横暴な行為を、認める気にはなりませんが。
とにかくカットが長いので、途中で寝てしまわないようお気をつけください(僕も途中何度か危険な状態に
なりました。前に座っていたおっちゃんはいびきかいて寝てました・・・)。




〜「冴えなくも素晴らしき年月」(カラー作品 1997年、チェコ)〜

(観た場所)自宅のCS放送で



(作品紹介)プラハの春、東欧革命などの激変を生き抜いた、チェコのある一家の姿を、ユーモラスに、
時には深刻に描いた作品で、日本では劇場未公開(CS放送のみ)。監督はベトル・ニコラエフ。



(感想)これまた説明の難しい作品です。「チェコ」「プラハの春」という作品紹介のフレーズに
ひかれて録画しましたが、国家や周りの人の思惑と関係なく生きていくのは難しいことなんだ、それを愚直に貫いた
人たちは素晴らしいんだと言いたかったのかなあ・・・。共産党一党独裁のなか、党に入っていないので
職場でも冷遇され、好きでもないサッカーをやり、貼りたくもない国旗を窓に貼って、懸命に上司の機嫌を取るお父さん。
党に入ってしまえばそんなことは解決するのに、それでも自分の意志を曲げるのはなんか許せない。
当局に目をつけられている反体制活動家と、「昔お世話になったから」と内緒で会ったりするお母さん。
観ているこちらがハラハラするのですが、彼らにすればまわりの人の方がおかしいのです。
やがて東欧革命が起き、共産党政権は崩壊。昨日まで思想統制をしていた側が、突然「自由」を唱えだす。
そこで一家は、自分たちは間違っていなかったと確認するのでした。まわりに流されやすい日本人の僕にとって、
なかなか耳の痛い話ではありました(よくわからない感想。ごめんなさい)。




「カンダハール」(カラー作品 2001年、イラン・フランス)〜

(観た場所)京都市内の映画館で



 (作品紹介)アフガニスタンから難民としてカナダに逃れ、ジャーナリストとなった女性が、祖国に残してきた
妹を救うため、命をかけてアフガニスタンに潜入する行程を描いた作品。監督はイラン人のモフセン・マフマルバフ。
題名の「カンダハール」とは、アフガニスタン南部の中心都市で、イスラム原理主義勢力「タリバン」の
本拠地として有名になった。



 (感想)今話題の映画です。平日なのに館内は結構な混みようでした。
内容自体は同時多発テロ・アフガン空爆以前に撮られたものですが、実話を元にして撮影しただけあって、
あまりに残酷な現実を見せつけられた作品でした。この監督の方針らしく、難民の役にすべて実際に
アフガンからイランに逃れてきた人を使うなど、アフガンのあまりにむごい状況を少しでも伝えようという、
監督の熱い思いが伝わってきた。出演者全員が素人さんのため、演技的に苦しい所もありましたが、
彼らの全身から発せられる、理不尽へのやり場のない怒りや絶望感がなければ、この映画は成立しなかっただろう。
世界がアフガニスタンという国の存在すら忘れていた時期に、その現実を映画を通じて告発しようとした監督に、
敬意を表したい(実際に、イラン国内のタリバン派に命をねらわれたそうだ)。映画の持つパワーと
広がりは本当に素晴らしい。







今回は、なんとも重たく、説明しにくいラインナップになってしまいました。
共通しているのは、「理不尽に対する抵抗」でしょうか。この間僕もいろいろ
あったので(何かは内緒)、これらの映画が記憶に残っているのかもしれませんね。
選挙も終わってホッと一息つける時間ができたので、たくさん貯まってしまった
ビデオテープを頑張って消化しなくては。
これからも心に深く刻まれる映画を見つけていきたいです。



というわけで、次回予告です。

 次回第9回は、

「5月に観た映画作品」(予定)です。



2月から始まった映画上映サークル、なかなか順調です。
いい映画をたくさん観たいという要求が、みなさん思った以上にあるようで、
ワイワイ楽しく上映会を開いています。どっぷり映画漬けの日々が続きそうです。
それではまた来月にお会いしましょう。


            

*第1回「U−571」はこちら*

*第2回「Uボート」はこちら*

 *第3回「Avalon」「DEMONS WAR」はこちら*

*第4回「フル・モンティ」はこちら*

*第5回「スターリングラード」「Taxi 2」
「ホワイトアウト」「JSA」はこちら*

*第6回「魚住少尉命中」「千と千尋の神隠し」はこちら*

*第7回「突撃」「鶴は翔んでゆく」はこちら*





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